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4/7宇宙ニュース・Vast、Haven-1ステーションのNASA施設での最終環境試験に向け契約 ほか3件

民間ステーション開発のVast、Haven-1ステーションのNASA施設での最終環境試験に向け契約

SpaceXのドラゴン宇宙船が下部にドッキングしたVastのHaven-1ステーション
Credit: Vast ウェブサイト

2025年4月3日、商業宇宙ステーション開発を進めるアメリカの宇宙企業ヴァスト(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Max Haot、以下Vast)は、同社が開発する民間宇宙ステーション「ヘイブン1(Haven-1)」の最終環境試験を、オハイオ州にあるNASAのニール・アームストロング試験施設で実施するための契約を締結したと発表しました(Vastによる発表)。

Haven-1は、有人微小重力研究・開発・製造プラットフォームとして機能する商業宇宙ステーションで、昨年10月には内部デザインのイメージが公開されています(参考記事)。

2026年はじめから開始される予定の一連の試験では、打ち上げ時や軌道上での運用環境を想定した音響、振動、電磁干渉、熱真空などに関する検証が行われるということです。

VastのCEOであるMax Haot氏は「国際宇宙ステーション(ISS)退役前に、実証済みの商業宇宙ステーションが軌道上にあることは非常に重要」と述べており、同社ではHaven-1の打ち上げ予定を2026年5月以降としています。

月周回ステーション「ゲートウェイ」の居住モジュール、イタリアから米国への搬入完了

Credit: NASA/Josh Valcarcel

2025年4月4日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、月周回ステーション「ゲートウェイ(Gateway)」の居住モジュール「居住・物流拠点(Habitation and Logistics Outpost:HALO)」がアリゾナ州に到着したと発表しました(NASAによる発表)。

欧州の宇宙企業であるタレス・アレニア・スペース(Thales Alenia Space)が主要構造を製造、イタリアから輸送されたHALOは今後、アリゾナ州にある航空宇宙・防衛企業であるノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)の衛星製造施設で最終組み立てが行われた後、フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターで電力・推進要素と統合され、SpaceXのロケット・ファルコンヘビーで打ち上げられる予定です。

HALOはアルテミス計画の中で宇宙飛行士の活動の場であるとともに、月面ミッションの準備や科学研究を行うための空間ともなります。また、コマンド・制御機能やデータ処理、エネルギー貯蔵、電力分配、温度調節に加え、欧州宇宙機関(ESA)が提供する高速月通信システム「ルナリンク(Lunar Link)」による通信・追跡機能も備えています。

NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業に推進システム開発のLetaraが採択

2025年4月4日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)」および「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(GX事業)」にて、新たにディープテック分野のスタートアップ11社を採択したと発表しました。

DTSU事業として、小型衛星用推進システムの開発・提供を手がける宇宙スタートアップのLetara株式会社(北海道札幌市、創業者 Co-CEO:Landon KAMPS、平井翔大)が採択されています。

同社は試作品の開発や初期の生産技術開発などに加え、主要市場獲得に向けた事業化可能性調査の実施などを支援する段階である「PCAフェーズ」での採択となっています。

【ミニレポート】第一線の研究者たちが語る、プラネタリーディフェンス(地球防衛)の最前線

講演会では、円谷プロダクションとコラボレーションしたイラストパネル(右)がお披露目されたほか、伝説的バンド・クイーンのギタリストで天体物理学博士でもあるブライアン・メイ(Sir Brian Harold May)氏がビデオメッセージを寄せ、会場は大いに盛り上がりました

2025年4月6日、東京都文京区の東京大学 本郷キャンパス・小柴ホールにて、東京大学 宇宙惑星科学機構主催(共催 JAXA)による公開講演会「天体衝突から地球を守る ―地球防衛の最前線」が開催されました。

先日、小惑星「2024 YR4」の地球への衝突確率が最大で3%ほどまで上昇したと報道されたこともあってか、会場には老若男女幅広く聴衆が集まり、関心の高さをうかがわせました。

講演会の第一部では、東京大学および、JAXA宇宙科学研究所の研究者に加え、アメリカ航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターのポール・アベル(Paul Abell)氏とコートダジュール天文台 上級研究員のパトリック・ミシェル(Patrick Michel)氏も登壇。日本だけでなくNASAや欧州宇宙機関(ESA)でのプラネタリーディフェンスの取り組みについても紹介されました。

プラネタリーディフェンス(地球防衛)とは、地球に衝突する可能性のある小惑星への対応を行うことで、主には小惑星の①軌道の割り出し、②性質の調査、③防災・減災対応、④正確な知識の普及、といった活動があります。

地球に小惑星や隕石が衝突した事例としては、2013年2月のロシア・チェリャビンスクでの隕石落下や、1908年6月、同じくロシアでのツングースカ大爆発などが知られています。チェリャビンスクの隕石は大きさ約17メートルだったとされていますが、南北180キロメートル・東西80キロメートルの範囲で建物に被害が及び、負傷者も1,000人を超えるなど、隕石・小惑星がひとたび地球に衝突すると深刻な被害が生じることがわかります。

日本国内では、かねてから「スペースガード」として地球接近小惑星(Near Earth Object:NEO)の観測や軌道の追跡などが行われてきましたが、JAXAでは2024年4月に検討が体制強化され、プラネタリーディフェンスチームを設置。「はやぶさ」など小惑星探査ミッションで培った知見を活用し、現在は「はやぶさ2拡張ミッション」としてプラネタリーディフェンスに資する科学・技術の獲得を進めています。

一方のNASAでは、2016年に惑星防衛調整局(Planetary Defense Coordination Office:PDCO)を新設。2021年には重さ約500キログラム、自動販売機サイズの探査機を打ち上げて小惑星ディモルフォスに衝突させて軌道を変更する試験「DART」を実施しています。

また、ESAでは、DARTミッションを引き継いで探査機衝突後の小惑星の状態を詳細に観察する「Hera」を2024年に打ち上げています。

講演会では、プラネタリーディフェンスにおいて最も大切なことは「早期発見」であることが強調されました。万一、地球に小惑星が衝突する場合の対応法は現時点では確立していないため、継続的な観測や探査によって情報を蓄積していくことが重要です。

前述のように、日本もこれまでに行ってきた小惑星探査を通じてプラネタリーディフェンスに貢献できる余地は大いにあり、今後も、国際協力のもとで観測や研究、惑星防衛のための体制構築が進んでいくことが期待されます。

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