
目次
NASA、月面探査車「VIPER」の輸送にBlue Originを選定

2025年9月19日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、同局がアルテミス計画の一環として進める「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」において、月面探査車(ローバー)「VIPER(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover)」を月の南極に輸送する事業者にBlue Originを選定したと発表しました(NASAによる発表)。
これはBlue Originにとって、CLPSでの月面輸送に関する2回目の契約獲得。今回のタスクオーダー契約では、Blue Originは現在開発中の着陸機「Blue Moon MK1」の2号機を用いて2027年後半にVIPERを月面に輸送します。契約額は最大で1億9,000万ドル(281億円)になるとのことです。
NASAは昨年にコスト増などを理由にVIPERプロジェクトを中止しましたが、水資源探査などの目標を達成するための代替手段を模索していました。NASA科学ミッション局のニッキー・フォックス(Nicky Fox)氏は、「私たちは目標達成のために、創造的でコスト効率の高い方法を模索してきた。民間セクターの輸送能力を活用することで投資を集中させ、宇宙における米国のリーダーシップを支えることになる」と述べています。
天地人の「宇宙水道局」、分析管路が10万km超え 自治体の累計契約数も50を突破

2025年9月19日、株式会社天地人(東京都中央区、代表取締役」:櫻庭康人、参考記事)は、同社が展開する衛星データを活用した水道DXソリューション「宇宙水道局」で、分析対象となる水道管路の総延長が109,575キロメートルに達したと発表しました。
これは、地球の赤道周長(約40,075キロメートル)の約2.7周分に相当する距離だということです。
また、これに先立つ17日には、契約更新を含む累計の契約自治体数が50を超えたことも発表されました。
「宇宙水道局」は2023年4月にサービスを開始。人工衛星データを活用して全国の水道管路を分析し、145,752件の漏水リスクを特定したとのこと。ここまでのデータの蓄積により漏水リスク診断の精度が向上し、効率的な管路更新計画の立案を実現しているとしています。
米イリジウム、ドイツテレコムと提携 非地上系ネットワークを提供
2025年9月16日、衛星通信大手のIridium Communications Inc.(アメリカ・バージニア州、CEO:Matthew J. Desch、以下イリジウム)は、ドイツの通信大手ドイツテレコム(ドイツ・ボン、CEO:Timotheus Höttges)と提携したと発表しました(イリジウムによる発表)。
この提携を通じ、両社はイリジウムのサービス「Iridium NTN Direct」を通じて、ドイツテレコムの顧客にグローバル接続を提供する予定です。
NTN(Non-Terrestrial Network)とは、「非地上系ネットワーク」と訳され、通信衛星や無人航空機、高高度プラットフォーム(HAPS)等、陸海空・宇宙の移動体を多層的につなげるシステムを指します。
商用サービス開始は2026年の予定で、IoT・自動車・産業機器領域でのメッセージング、追跡、ステータス更新などに活用される見込みだとしています。
イリジウムによると、同社のLEO衛星コンステレーションはLバンドスペクトラムを使用しており、ハリケーンや吹雪などの過酷な気象現象でも信頼性の高い接続を提供するということです。
カナダのカナデンシス、「月面観測所」の設計・製造に関する契約を受注
2025年9月15日、カナダの宇宙探査企業、Canadensys Aerospace(カナダ・トロント、社長兼CEO:Christian Sallaberger、以下Canadensys)は、国際月面天文台協会(International Lunar Observatory Association:ILOA)の旗艦ミッション「ILO-1」に用いる計器一式を設計・製造する契約を受注したと発表しました(Canadensysによる発表)。
ILO-1ミッションは、月の南極付近に観測機器を設置して「月面観測所」とし、銀河系や宇宙、地球、月面の画像を地球に送るミッションです。同ミッションで用いられる観測機器は月面で少なくとも1年間運用される予定で、月の環境に耐えられるよう設計されるということです。
ミッションは、2027年から運用が開始される予定とのこと。Canadensysは、カナダ初の月面探査車(ローバー)やアルテミス計画の一環で計画されている大型探査車「Lunar Utility Vehicle(LUV)」の開発も手がけています。
【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから
あわせて読みたい
【PR】イベント企画・運営、動画の企画制作、デザイン制作、記事制作のご相談はIPP by DigitalBlast Consultingへ!
詳しくはこちら>>> https://digitalblast-c-ipp.jp/