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Axiom Spaceとレゾナック、宇宙での半導体製造技術の研究開発で覚書締結

Credit: 株式会社レゾナック・ホールディングス プレスリリース
2025年10月1日、アメリカの宇宙開発企業Axiom Space(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Tejpaul Bhatia)と、日本の化学メーカーである株式会社レゾナック(東京都港区、代表取締役社長CEO:髙橋秀仁)は、宇宙空間での高機能半導体材料の研究・開発・製造に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。
微小重力環境では、対流や沈殿が発生しないため、欠陥のない半導体バルク結晶や樹脂、2次元材料の生成が可能です。
この合意を受け、両社は、微小重力および低軌道の真空条件下で、半導体や半導体パッケージング向けの次世代半導体材料製造の可能性を探るとのこと。国際宇宙ステーション(ISS)やAxiom Spaceの軌道プラットフォーム、将来設計される予定のAxiom Stationを活用し、概念実証から商業規模での製造へと段階的に取り組みを進める予定だとしています。
なお、レゾナックは今年6月にISSで宇宙向け半導体材料の評価を実施すると発表しており、この実験をAxiom Spaceに委託しています(参考記事)。
QPS研究所、民間3社・久留米市との5者連携で水害対策を実証へ
2025年9月30日、小型SAR衛星の開発・製造・運用を手がける株式会社QPS研究所(福岡県福岡市、代表取締役社長CEO:大西俊輔)は、積水樹脂株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長兼CEO:馬場浩志)、三井住友海上火災保険株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:舩曵真一郎)、MS&ADインターリスク総研株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:宮岡拓洋)の民間3社、福岡県久留米市(市長:原口新五)と、「IoT浸水深データおよび衛星データを活用した水害対策の推進に向けた実証実験協定」を締結したと発表しました。
九州最大の一級河川・筑後川流域に位置する福岡県久留米市は度重なる内水氾濫による被害を受けており、2022年からプロジェクトを立ち上げ地域全体での浸水・減災対策に取り組んできました。
こうしたなかで、昼夜・天候を問わず地表が観測できる「QPS-SAR」によるデータと、MS&ADインターリスク総研による各種データの融合解析による次世代の防災DX実現に向けた実証フィールドとして久留米市に打診され、実証実験の実施と協定の締結に至ったということです。
今回の実証では、QPS研究所と民間3社が連携し、IoT浸水深センサデータとQPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」による衛星データを組み合せることで、遠隔からの浸水状況把握技術の確立を目指すとしています。
米Northrop Grumman、商業宇宙ステーションとの自律ドッキング実証に成功

Credit: Northrop Grumman Corporation ウェブサイト
2025年9月28日、Northrop Grumman Corporation(アメリカ・バージニア州、CEO兼社長:Kathy Warden、以下Northrop Grumman)は、Starlab Space Stations、米Voyager Technologies(参考記事)と共同で行った自律的なランデブ・近接運用・ドッキング実証に成功したと発表しました(Northrop Grummanによる発表)。
この実証は、同社の補給船「シグナス(Cygnus)」に完全自律ドッキング機能を搭載するための開発において重要なマイルストーンになるとのこと。
Northrop Grummanでは、かねてからシグナスが商業宇宙ステーションにドッキングし貨物輸送ができるよう改良を進めていました。同社は、今回の実証が成功したことで、地球低軌道(LEO)における次世代の宇宙探査を支援する基盤が構築されるとしています。
ispace、伊Telespazioと月周回軌道への軌道間輸送機の活用に向け意向表明書を締結

Credit: 株式会社ispace プレスリリース
2025年9月30日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史)は、伊Telespazio(イタリア・ローマ、CEO:Gabriele Pieralli)との間で、将来の月探査ミッションにおける、ispaceが開発する軌道間輸送機(Orbital Transfer Vehicle:OTV)の活用可能性の評価と、Moonlight計画上の通信・ナビゲーションサービスの活用について、技術的・商業的協業を目的とした意向表明書(Letter of Intent:LOI)を締結したと発表しました。
Telespazioは、イタリアの航空宇宙・防衛大手Leonardoと、フランスの電機・システム大手Thalesによる合弁会社で、欧州宇宙機関(ESA)が進めるMoonlight Lunar Communications and Navigation Services(LCNS)プログラムの主契約者として、月探査のための通信・ナビゲーションサービスを提供する衛星コンステレーションの開発を行っています。
5機の衛星からなるMoonlight計画のコンステレーションは月探査を支える基盤インフラとなることが期待されており、この取り組みの一環として、両社はispaceのもつ月着陸船(ランダー)開発技術から派生して開発されるOTVを活用し、Moonlight計画の衛星コンステレーションを月周回軌道まで輸送するサービスの提供可能性を検討するということです。
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