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SPACE COTANと三井物産、「宇宙版シリコンバレー」実現に向け基本合意

2025年12月22日、「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営するSPACE COTAN株式会社(北海道広尾郡大樹町、代表取締役社長兼CEO:小田切義憲、参考記事)は、三井物産株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:堀健一)と、HOSPOを核とした「宇宙版シリコンバレー構想」にかかわる基本合意書(MOU)を締結したと発表しました。
HOSPOが掲げる「宇宙版シリコンバレー構想」の実現を通じ、雇用創出・観光促進、宇宙技術による既存産業の効率化などによる北海道や日本の社会課題解決を目指すということです。
具体的には双方で下記の項目を実施していくとしています。
SPACE COTAN
- HOSPOの開発・整備に必要となる技術的および事業的な検討
- 宇宙版シリコンバレー構想の実現に向けた技術および事業に関するロードマップ案の検討
- 三井物産からの各種検討・助言に基づく項目に関する宇宙版シリコンバレー構想での活用検討
三井物産
- 宇宙版シリコンバレー構想の実現に向けた支援方策の検討
- 他企業・機関との連携拡大・強化
- 次段階の検討体制(連携強化・拡大に向けたコンソーシアム構築等)
- 宇宙版シリコンバレーの利活用の強化・拡大に関する支援方策の検討
- SPACE COTANが実施する事業検討におけるファイナンス観点からの助言
宇宙基本計画工程表、改訂決定 H3失敗による影響は来年夏以降に反映
2025年12月23日(火)、第33回宇宙開発戦略本部(本部長:高市早苗内閣総理大臣)が開催され、宇宙基本計画工程表の改訂が決定されました。
宇宙基本計画工程表は、宇宙に関する国の具体的な計画を示したもので、毎年夏に重点事項の整理、年末に改訂が実施されています。
12月22日(水)に打上げ失敗したH3ロケット8号機の影響が注目されましたが、今回の改訂への反映はなく、2026年夏の重点事項の作成、または年末の改訂において反映される予定です。この理由について、内閣府宇宙開発戦略推進事務局(以下「事務局」)は、「宇宙政策全体を遅滞なく着実に前進させるため」としました。
また、H3ロケット8号機には準天頂衛星システム「みちびき5号機」が搭載されていましたが、同機の状況や今後の計画について、事務局は「5号機の状況は現在確認中だが、7機体制の早期確立、そして11機体制を構築するという政府方針に変わりはない」と説明しました。
なお、内閣府は22日からみちびき5号機との通信が可能だと予測される時間帯に、同機に対してコマンドを送信しているものの、現在まで返信はないとのことです。
アークエッジほか6社が新会社設立、2028年に「和歌山製人工衛星」打上げ目指す

2025年12月22日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役CEO:福代孝良)ほか6社の共同出資による新会社・株式会社WALL(和歌山県和歌山市、代表取締役:有井安仁)が設立され、同社が国立大学法人和歌山大学(和歌山県和歌山市、イノベーション・イニシアティブ基幹:秋山演亮教授)と、「宇宙産業人材の実践的育成手法の研究」に関する共同研究契約を締結したことが発表されました。
共同研究では、人工衛星の設計・製造・運用を題材とした実践的な研究を通じた人材育成と産業創出を同時に進め、中長期目標として2028年に「和歌山で作られた人工衛星」を和歌山県内から打ち上げるとしています。
株式会社WALL設立にあたって共同出資を行ったのは下記7社です。
- 株式会社アークエッジ・スペース
- 株式会社共栄テクシード
- 株式会社タカショーデジテック
- 株式会社PLUS SOCIAL
- 三木理研工業株式会社
- ノーリツプレシジョン株式会社
- 株式会社BEE
アクセルスペース、韓国Nara Space Technologyと協業 GRUS-1の撮影データを提供

2025年12月19日、株式会社アクセルスペース(東京都中央区、代表取締役社長:中村友哉)は、Nara Space Technology(韓国・ソウル、共同創業者兼CEO:Jae-Pil Park、以下Nara Space)と、衛星画像プロダクトに関するパートナーシップ契約を締結したと発表しました。
アクセルスペースが運用する小型地球観測衛星「GRUS-1(グルースワン)」コンステレーションの撮影データを、Nara Spaceが運営する地理空間プラットフォーム「EarthPaper」を通じて提供します。
両社はこの協業を通じて衛星データの国際的な流通基盤を強化し、研究・ビジネス活用・教育といった分野での活用拡大を推進していくとしています。
なお、現在アクセルスペースでは2.5メートルの地上分解能をもつ光学画像5機を運用していますが、来年、次世代地球観測衛星「GRUS-3(グルーススリー)」7機を打上げ、撮影頻度や撮影能力などを向上させる予定であることを発表しています(参考記事)。
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