宇宙を活用した官民の事業化支援・事業変革、教育分野の事業などを展開するSpace BD株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 永崎将利)は2023年9月5日、総務省が手がける研究開発案件において、委託先の一機関であるスカパーJSATを通じ、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の船外プラットフォーム利活用サービスを提供し、2023年9月5日に軌道上での運用を開始したと発表した。
総務省が委託する関係各社は、船外プラットフォーム利活用サービスを用いて「衛星通信における量子暗号技術の研究開発」に使用される光通信用装置の実証実験に取り組んでいる。
ISS「きぼう」船外にある中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を活用した本サービスの特徴は、電力、通信などの実験に必要なリソースをISSから直接供給を受けることで、人工衛星による実験と比べて迅速、安価、かつ低リスクでの実験が可能である点。
今回の実証実験では、i-SEEPに光通信用装置を搭載し、地上-ISS軌道上(約400km上空)に設置した同実験装置と光地上局との間で光通信ができることを実証する計画で、Space BDはJAXAからの打上げ機会・ISS「きぼう」船外利用枠の確保に加え、搭載する装置の安全審査や、i-SEEPとの適合性審査、運用準備等を実施した。
デジタル社会の進展に伴い、世界的に通信への需要が急増している中、通信衛星等、宇宙空間を利用した通信サービスも今後ますますニーズが高まると予測される。
今回の実証はそうした通信ニーズへの宇宙利用の可能性を示すとともに、宇宙を活用した技術やビジネスの実証が身近なものになりつつあることを示すものと言えそうだ。
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