住友商事株式会社(東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員CEO 兵頭誠之)と米国の宇宙スタートアップ・SpinLaunch, Inc.(米国カリフォルニア州ロングビーチ、CEO Jonathan Yaney)は、SpinLaunchが開発する宇宙への打ち上げの日本向け代理店権に関するパートナーシップ契約を締結、あわせて、2023年7月に住友商事がSpinLaunchに出資した。
2023年9月8日、住友商事がプレスリリースで発表した。
近年、通信や測位などの需要の高まりに伴い、データの送受信で必要となる低軌道衛星を中心とした宇宙市場が拡大している。
一方、衛星等の打ち上げ能力の提供は逼迫しており、衛星の打ち上げコストの高騰により、衛星を利用したサービスの価格も高止まりしている。
SpinLaunchは、2014年に米国カリフォルニア州で設立されたスタートアップ。
同社は、電動式の円形回転装置により物体を宇宙へ打ち上げる革新的打ち上げの実現を目指しており、必要なタイミングでのオンデマンドの打ち上げが可能となるという。
また、ロケットでの打ち上げと比較して、70パーセント以上の燃料コスト、および二酸化炭素の削減ができ、柔軟性、即応性に加え、環境にもやさしい低コストの打ち上げが可能となるとしている。
住友商事は、Collins Aerospaceとの合弁事業であるHamilton Sundstrand Space Internationalで宇宙船の部品、宇宙服の宇宙機関向けの製造・販売を行っているほか、電波観測衛星ベンチャー・Hawkeye360への出資等、安全保障分野を含めた宇宙ビジネスに取り組んでいる。
同社では今回のSpinLaunchとの契約締結によって安価でサステナブルな打ち上げ技術と製品を提供することで官民宇宙事業の発展に貢献するとともに、引き続き、新技術の社会実装を目指すスタートアップへの投資などを通じて、宇宙利用を促進し、豊かさと夢のある社会の実現を目指したいとしている。
なお、SpinLaunchの筆頭株主で、AmazonやGoogleなどにも出資実績のある老舗大手ベンチャー・キャピタル、Kleiner PerkinsのパートナーWen Hsieh氏は「本契約は、持続可能で低コストの宇宙ソリューションに関し、世界的なリーディングプロバイダーになるための重要なSpinLaunchのマイルストーンです。住友商事は日本で最も権威のある企業のひとつであり、彼らの事業パートナーと投資家の両面での参加を嬉しく思います」とコメントを寄せている。
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