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地球観測衛星「EarthCARE」、米カリフォルニア州からの打上げ日程を5/28以降に設定

Credit: EarthCARE/CPR特設サイト

雲・エアロゾルを観測し気候変動に与える影響を探る

2024年5月20日、欧州宇宙機関(ESA)は、雲エアロゾル放射ミッション「EarthCARE」衛星について、2024年5月28日以降に米国のSpaceXのFalcon9ロケットにて、米カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられる予定だと発表した。

JAXAは、ESAとともに、米国の射場、ドイツの衛星運用センターおよび日本にて、打上げに向けた最終準備を進めている。

EarthCAREは、①CPR(Cloud Profiling Radar)雲プロファイリングレーダ、②ATLID(Atmospheric Lidar)大気ライダ、③MSI(Multi-Spectral Imager)多波長イメージャ(プッシュブルーム方式スキャナ)、④BBR(Broad-Band Radiometer)広帯域放射収支計という4つのセンサーを搭載した地球観測衛星。

4つのセンサーのうち、CPR雲プロファイリングレーダはJAXAと情報通信研究機構(NICT)が開発したもので、残り3つはESAが開発している。

これら4つのセンサーを用いて雲、エアロゾル(大気中に存在するほこりやちりなどの微粒子)の全地球的な観測を行い、気候変動予測の精度向上に貢献することを目指す。

大気中の雲・エアロゾルは地球の温度変化に影響を与えているが、雲のサイズは数キロメートルから数百キロメートルに及び、地上からの観察だけでは詳細を把握することができず、そのメカニズムは未だ解明されていない。

また、これまでの気象衛星では雲の内部構造まで観測することが難しかったという。

そのため、EarthCAREはこれまでの地上設備や気象衛星では観測できなかった雲全体の内部構造を観測することで、雲・エアロゾルが気候変動に与える影響の科学的理解が進むことが期待されている。

気候変動による気象災害などが多発する中、こうした雲や地球の温度変化にかかわる詳細なデータが取れるようになれば、より的確な対策を取ることも可能になるだろう。

打ち上げが成功することはもちろん、宇宙からEarthCAREが届けてくれるさまざまなデータにも注目したい。

打ち上げ当日はVTuber宇推くりあ氏とコラボレーションしたライブ中継も

なお、打ち上げ当日にはJAXA公式YouTubeチャンネルでのライブ中継に、特別ゲストとしてロケット工学アイドルVtuberの宇推くりあ氏(参考記事1参考記事2)が参加。「特別コラボレーション打ち上げライブ中継」を実施することが決定している。

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