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JAXA、イプシロンSロケット第2段モータ爆発に関する説明会を開催 燃焼ガスの漏洩が発生か
2024年12月5日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2024年11月26日に種子島宇宙センターで行われたイプシロンSロケット第2段モータ再地上燃焼試験での爆発に関して、記者説明会を行った。
説明会では、JAXA理事で宇宙輸送技術部門長の岡田匡史氏と、JAXA宇宙輸送技術部門 イプシロンロケットプロジェクトマネージャの井元隆行氏が説明を行った。
井元氏によると、燃焼圧力データは点火後約20秒前後で予測値から乖離。約49秒の時点での燃焼圧力は約7メガパスカルで、その後圧力が下降し爆発した。これは昨年能代で行われた地上燃焼試験(参考記事)での圧力パターンと類似しているものの、徐々に圧力が低下している点は能代での試験と特に異なっている点だとした。
また、今回の試験を撮影した画像では、正常な噴出とは別に何らかのものが噴出している様子が見られており、爆発前に燃焼ガスの漏洩があったのではないかと推定されるとした。そして今後、現場から回収した破片等を分析して事象を把握するとともに、あらゆる可能性を考慮して徹底的に検討を進めるとした。
今回の爆発により、イプシロンSロケットの年度内の打上げは不可能となった。現時点で判明していることは少ない状況だが、今後原因の解明が進み、改善策が見出されることを期待したい。
記者説明会の様子はJAXAのYouTubeで閲覧できる。
トランプ次期米大統領、次のNASA長官に実業家のジャレッド・アイザックマン氏を指名
2024年12月5日、次期アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏は、自身の立ち上げたSNS・トゥルース・ソーシャル上で次のアメリカ航空宇宙局(NASA)長官に、実業家のジャレッド・アイザックマン(Jared Isaacman)氏を指名すると投稿した。
アイザックマン氏は決済ソリューションを提供する「Shift4 Payments」の創業者などを務める傍ら、民間宇宙飛行士としてSpaceXの宇宙飛行に2回参加。今年9月に行われた「ポラリス・ドーン(Polaris Dawn)」では、民間で初の船外活動を実施した。
指名を受けたアイザックマン氏は、Xで「指名を光栄に思う」とコメント。「宇宙にはものづくりやバイオテクノロジー、鉱業、そしておそらく新しいエネルギー源への道筋において、比類のないブレークスルーの可能性がある」とし、宇宙開発を通して地球の生活をよりよいものにすると決意を語った。
なお、NASA長官への正式な就任は議会での承認を経て決定される。
スカパーJSAT、宇宙事業部門の組織を再編 「宇宙安全保障事業本部」を新設
2024年12月4日、株式会社スカパーJSAT ホールディングス(東京都港区、代表取締役社長 米倉英一)は、100%子会社のスカパーJSAT株式会社(東京都港区、代表取締役 執行役員社長 米倉英一)の組織変更および執行役員の担務変更を発表した。
変更の実施は2025年1月1日付。
宇宙事業部門の中で、新たに専門組織「宇宙安全保障事業本部」が新設された。同本部の配下には通信・非通信を問わず安全保障事業の推進、管理・営業活動を行う「安全保障事業部」、安全保障に係る衛星インフラ、衛星通信サービス等の技術を担う「安全保障技術部」、安全保障事業に係る情報保全体制の構築、管理を行う「情報保全部」が新設される。
また、「宇宙・衛星事業本部」「グローバル事業本部」「新領域事業本部」を改編。国内外を問わず衛星通信、通信ネットワーク、衛星画像解析などあらゆるサービスを取り扱う「宇宙ソリューション事業本部」とする。同事業本部では、安全保障事業以外のサービスを集約し、販売体制の強化、営業力の向上を図るとしている。
執行役員の担務は下記の通り変更となる。
- 執行役員 宇宙事業部門 部門長代行 兼 宇宙安全保障事業本部長 石井 満(旧役職:執行役員 宇宙事業部門 部門長代行 兼 宇宙・衛星事業本部長)
- 執行役員 宇宙事業部門 部門長補佐(宇宙安全保障事業特命担当) 森合 裕(旧役職:執行役員 宇宙事業部門 グローバル事業本部長)
- 執行役員 宇宙事業部門 宇宙ソリューション事業本部長 山下照夫(旧役職:執行役員 宇宙事業部門 新領域事業本部長)
株式会社BULL、起業家海外派遣プログラム J-StarXに採択
2024年12月3日、株式会社BULL(栃木県宇都宮市、代表取締役/CEO 宇藤恭士)は、経済産業省と日本貿易振興機構(JETRO)が主導する起業家等の海外派遣プログラム J-StarX「Europe Long-term Program(France)」に採択されたと発表した。
J-StarXは、経済産業省とJETROが共同で立ち上げた起業家等の海外派遣プログラム。日本のスタートアップ企業のグローバル展開を支援するため、現地での投資家・ビジネスパートナーとのネットワーク構築、資金調達の機会を提供する。
「Europe Long-term Program(France)」では、フランス・パリにある世界最大級のスタートアップキャンパスである「Station F」での滞在を通じて、欧州市場進出に向けた基礎知識やマインドセット構築を目指す。
BULLはスペースデブリ拡散防止装置「HORN」の開発を進めており、同プログラムへの参加を通じて、欧州の宇宙市場における動向の把握とネットワークの構築を強化し、日本発のスペースデブリ拡散防止装置のグローバル展開を加速させる構え。