
目次
スペースシフト、建物変化検知・遊休農地探索AIサービスの正式提供開始

2025年9月3日、株式会社スペースシフト(東京都千代田区、代表取締役:金本成生)は、同社がこれまで個別に提供してきた衛星データ×AI解析ソリューションの料金体系や提供方法を整備し、パッケージとして提供開始すると発表しました。
第一弾は「遊休農地探索AI」と「建物変化検知AI」。「遊休農地探索AI」は農業委員会や自治体向けに、遊休農地や耕作放棄地の候補地を自動検出するサービスで、「建物変化検知AI」は都市部や郊外における建物の新設・解体など、地表の変化を自動で検出するサービスです。
同社では、今回のパッケージ化でエンジニアに限らず、業務部門や現場担当者の方々も、日常の業務改善に活用しやすくなるとしており、今後、これらの取り組みを総合的に展開、「衛星データ×AI解析サービスブランド」としてリリースを進めていく予定だということです。
宇宙用太陽光発電の米mPower、ロッキード・マーティンから資金調達 シリーズB総額で約36億円に
2025年8月26日、宇宙用フレキシブル太陽光発電技術を開発するmPower Technology(アメリカ・ニューメキシコ州、CEO:Kevin Hell、以下mPower)は、大手航空宇宙・防衛企業ロッキード・マーティンの投資部門であるLockheed Martin Venturesから戦略的投資を受けたと発表しました(mPowerによる発表)。
mPowerによると、今回の投資により同社のシリーズB資金調達総額は2,400万ドル(約36億円)を超えたとしており、調達した資金は、主力製品である「DragonSCALESTM」太陽光発電モジュールの量産体制拡大に充てられるとのことです。
同社のDragonSCALESは、従来の硬い太陽光発電パネルと異なり、フレキシブルな構造が特徴で、これにより宇宙機の設計自由度が大幅に向上するとしています。
同社はニューヨーク州の工場で年間2メガワット以上の容量を生産予定で、これは、現状、人工衛星などに用いられているガリウムヒ素系太陽光発電パネルの世界全体の生産量を上回る規模になるということです。
なお、同製品はすでに、衛星通信事業者Telesatの衛星ネットワーク「Lightspeed」や、カナダの宇宙企業MDA Spaceの衛星「AURORA」用太陽光アレイに採用されています。
フィンランドのICEYE、SAR衛星による複合災害検知サービスを開始

2025年9月2日、合成開口レーダー(SAR)衛星によるソリューション提供を行うICEYE(フィンランド・ヘルシンキ、共同創業者:Rafal Modrzewski、Pekka Laurila)は、地震とその後に発生する火災による被害を検出する新機能の提供を開始したと発表しました(ICEYEによる発表)。
このサービスは、SARによる継続的な事前撮影で得られた基盤データが元になっており、大規模地震発生時には、数時間以内に地震発生地域をマッピング。その後、機械学習モデルを用いて高解像度の火災損害評価を行うものだということです。
同サービスは、まずカリフォルニア州で利用可能になるということで、これにより、保険会社と再保険会社は地震と火災による複合災害の影響を迅速に把握できるようになり、保険金請求処理の迅速化や損失検証の改善が期待できるとしています。
同社は今年7月に洪水監視サービスを発表しています(参考記事)。災害監視に関する衛星データ活用の重要性やニーズが高まっていることがうかがえます。
韓国宇宙航空庁、「第4次宇宙開発振興基本計画」改訂に関する公聴会開催
2025年9月2日、韓国宇宙航空庁(KASA)は、「第4次宇宙開発振興基本計画」改訂に関する公聴会を9月3日に開催すると発表し、その概要をウェブサイトに公開しました(KASAによる発表〔韓国語〕)。
それによると、主な改訂点は下記の4つとされています。
- 宇宙輸送サービスの国際競争力強化に向けた再使用型発射能力の確立、打上げインフラの拡充
- 宇宙開発政策の第4次基本計画への集約によるフラッグシッププロジェクトの統合
- 宇宙航空基本法の制定や宇宙航空産業振興院の設置など、民間主導の産業エコシステム構築とガバナンス強化
- 海外のトップ科学者誘致や民軍協力による大型システム事業の推進、AI・ソフトウェア領域の融合人材の育成などによる中長期的な宇宙開発基盤の強化
KASAでは、これらは以前から韓国が掲げてきた「宇宙開発2.0」を継承するもので、同国の宇宙開発にかかわる競争力を総合的に強化することが目的だとされています。
【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから
あわせて読みたい
【PR】イベント企画・運営、動画の企画制作、デザイン制作、記事制作のご相談はIPP by DigitalBlast Consultingへ!
詳しくはこちら>>> https://digitalblast-c-ipp.jp/