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9/9宇宙ニュース・IHI、衛星コンステレーション構築で英SSTL・SatVuと協力 ほか3件

IHI、衛星コンステレーション構築で英SSTL・SatVuと協力

2025年9月8日、株式会社IHIは(東京都江東区、代表取締役社長:井手博)、Airbus Defence and Space Ltdの完全子会社で小型衛星製造を手がける英国のSurrey Satellite Technology Limited(イギリス・サリー州、CEO:Martin Sweeting、以下SSTL)、熱赤外線(IR)センサー搭載の小型衛星の開発・運用を手がける英国のGlobal Satellite Vu Ltd(イギリス・ロンドン、共同創設者兼CEO:Anthony Baker、以下SatVu)と、それぞれ覚書(MoU)を締結すると発表しました。

両社との合意内容は、それぞれ下記の通りです。

SSTL
日本の情報収集・監視・偵察(ISR)能力の強化を目的とした地球観測衛星コンステレーションの構築

SatVu
両社の技術と経験を活用した、日本の国家安全保障・経済安全保障市場に向けたIR衛星コンステレーションの主権性の確保、デュアルユース(軍民両用)のユースケースの探求を目的とした協力体制の構築

両社との覚書締結は、ロンドンで9日から開催される防衛関連イベント「DSEI UK」内で、10日に行われる予定だということです。

IHIでは、今年5月にフィンランドのICEYEとも安全保障を念頭に置いたSAR衛星コンステレーション構築で協力を開始しており(参考記事)、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、日本においても同領域に対応したビジネスが動き出していることがうかがえます。

仏企業2社、地球超低軌道での5G通信実証に関する約54億円の契約をCNESより受注

左から、UNIVITY CEOのCharles Delfieux氏とフランス国立宇宙研究センター(CNES)通信・航法プロジェクト副部長のChristelle Boustie氏
Credit: ©UNIVITY / CNES

2025年9月1日、通信衛星コンステレーションを開発するフランスの新興企業ユニヴィティ(フランス・パリ、CEO:Charles Delfieux、以下UNIVITY)は、通信放送サービスを展開する仏TDF(フランス・モンルージュ、CEO:Karim El Naggar)と共同で、宇宙ベースの5G通信の実証に関する3,100万ユーロ(約54億円)の契約をフランス国立宇宙研究センター(CNES)から受注したと発表しました(UNIVITYによる発表)。

この契約は5カ年にわたるフランスの国家投資計画「France 2030」(参考記事)の下、CNESが発注したもの。

UNIVITYは、5Gミリ波を用いた地球超低軌道(VLEO)衛星コンステレーションの構築に向け技術開発を進めている2022年創業の新興企業で、同契約では、TDFとともにVLEO衛星と地上インフラを用いた5G非地上ネットワーク(NTN)の実証試験を実施するということです。

すでに開始されている契約第1フェーズでは、技術仕様の開発とユースケース研究が行われており、来年4月から2028年2月までの第2フェーズでは、VLEO衛星2機の製造や軌道上試験が実施される予定だとしています。

将来宇宙輸送システム、液体ロケットエンジンの着火・燃焼試験を実施

Credit: 将来宇宙輸送システム株式会社 プレスリリース

2025年9月8日、将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎)は、今年4月21日〜5月15日と、6月23日〜7月3日の2回、液体ロケットエンジンの着火・燃焼試験を実施したことを明らかにし、関連データの取得とともに、ミッションコントロールシステムによるリアルタイムでのモニタリングに成功したと発表しました。

同社によると、今回実施された試験は、着火・燃焼に関する燃料の流量・温度・圧力データの収集およびダッシュボードでの可視化を目的に実施。

制御・データ送信には「LabVIEW」を、計測データの保存や可視化に、衛星運用等のデータ計測・監視・制御を目的に設計されたオープンソースのミッションコントロールシステム「Yamcs(ヤムス)」を使用したとのことです。

同社ではロケット開発で一般的なウォーターフォール型ではなく、アジャイル型の開発を目指して独自の研究・開発プラットフォーム「P4SD」(参考記事)を用いています。特に、6〜7月の試験ではP4SDによる即時レビュー機能を活かし、点火器試験を1日150回、エンジン燃焼試験を1日12回実施したということで、ロケット開発のあり方を転換する一歩になったといえそうです。

「第7回宇宙開発利用大賞」募集開始 新たに「地域特別賞」を創設

2025年9月5日、内閣府宇宙開発戦略推進事務局は、第7回目となる「宇宙開発利用大賞」の募集を開始したと発表しました(内閣府のページ)。

「宇宙開発利用大賞」は、宇宙開発利用の推進に貢献した成功事例の功績をたたえることで、日本の宇宙開発利用のさらなる進展や宇宙開発利用に対する国民の認識と理解の醸成に寄与することを目的とした表彰制度。

これまでに、衛星データ等を活用した農業ソリューションを展開するサグリ(参考記事)や、QPS研究所などが内閣総理大臣を受賞しています。

また、第7回では新たに「地域特別賞」が創設されました。
同賞では、地域課題の解決や、地域の活性化、魅力あるまちづくりといった点で宇宙開発利用の推進に顕著な功績があったと認められる事例を表彰するということです。

応募は自薦・他薦を問わず、応募期限は10月7日(火)まで。応募条件等の詳細は下記ページから参照できます。

https://www.s-riyoutaishou7.jp/

なお、今年はPRキャラクターに、バーチャルサイエンスコミュニケータとして活躍するVTuber・北白川かぽぽさんが就任することも発表されました。

Credit: 北白川かぽぽ YouTube

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