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12/19宇宙ニュース・独連邦軍、約3,000億円でSAR衛星偵察契約 ICEYEとラインメタルが受注 ほか3件

独連邦軍、約3,000億円でSAR衛星偵察契約 ICEYEとラインメタルが受注

Credit: ICEYE ウェブサイト

2025年12月18日、ドイツの防衛大手・ラインメタル(ドイツ・デュッセルドルフ、CEO:Armin Papperger、以下Rheinmetall)と、フィンランドの衛星企業ICEYE(フィンランド・ヘルシンキ、共同創業者:Rafal Modrzewski、Pekka Laurila)は、ドイツ連邦軍向けに宇宙ベースの偵察データを提供する大型契約を受注したと発表しました(ICEYEによる発表)。

契約総額は約17億ユーロ(約3,094億円)。ドイツ連邦軍装備・情報技術・運用支援庁(BAAINBw)からの発注で、RheinmetallとICEYEが設立した合弁会社「ラインメタルICEYEスペース・ソリューションズ」(参考記事)を通じ、合成開口レーダー(SAR)衛星のコンステレーションへの独占的なアクセスが提供されます。契約期間は2025年末から2030年末までですが、延長オプションも含まれているということです。

SAR衛星は電波を使って地表を観測するため、光学衛星と異なり、雲や雨、夜間でも安定して画像を取得できるのが特徴です。こうしたデータは、部隊周辺の状況を把握する「偵察」や、意思決定に活用するための「情報(インテリジェンス)」の基盤として用いられます。

同契約を通じて、BAAINBwには大量の画像が提供され、AIによる画像解析や地上局の運用も含めた包括的なサービスとして提供されます。データは、欧州周辺地域の安全保障に関わる任務での状況把握に活用されるとしています。

千葉工大、さくらインターネットらが連携 宇宙・サイバーセキュリティ分野の人材を育成

Credit: 株式会社Tellus プレスリリース

2025年12月18日、学校法人千葉工業大学(千葉県習志野市、理事長:瀬戸熊修)、さくらインターネット株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長:田中邦裕)、株式会社Tellus(東京都新宿区、代表取締役社長:山﨑秀人)は、宇宙やセキュリティ分野を中心とする教育・研究活動の推進を目的に包括連携協定を締結したと発表しました。

協定締結を受け、下記の4点で連携を進めていくということです。

  • 宇宙やセキュリティ分野など新領域における学生の技術及び知識向上を図る教育活動
  • 学術的知見や技術的資源の相互利用による研究活動の促進
  • 本協定に基づく成果の共同での発表及び広報活動
  • その他、本協定の目的を達成するために当事者が必要と認める事項

3者は、近年、宇宙やサイバーセキュリティなどの先端分野の重要性の高まりとともに、これら領域を支える人材の育成も急務となっていることから、教育・研究・社会実装の各分野で相互協力を推進する枠組みを確立するとしています。

米宇宙スタートアップ2社、LEOでの衛星のランデブー・近接運用ミッションに成功

2025年12月15日、スターフィッシュ・スペース(アメリカ・ワシントン州、CEO:、以下Starfish Space)と宇宙輸送スタートアップのインパルス・スペース(アメリカ・カリフォルニア州、創業者兼CEO:Tom Mueller、以下Impulse Space)は、地球低軌道(LEO)での自律的なランデブー・近接運用(Rendezvous and Proximity Operations:RPO)の実証ミッション「Remora」に成功したと発表しました(Starfish Spaceによる発表)。

このミッションは、Impulse Spaceの軌道間輸送機「Mira」(参考記事)を用いて実施され、Miraに搭載されたStarfish Spaceの軽量カメラと独自のソフトウェアを用いて、Impulse Spaceが以前のミッション「LEO Express 1」で使用した宇宙機に対して自律的に近接操縦を行い、約1,250メートル以内の距離まで接近したということです。

これまでのRPOミッションは、複雑なセンサーを複数搭載した大型宇宙機で実施されてきましたが、同ミッションでは、センサーは可視光カメラのみで自律的な誘導・制御が実現できたということです。

米マックス・スペース、展開型宇宙ステーション構想を発表 2027年に軌道上実証へ

Credit: Max Space

2025年12月17日、宇宙ステーション開発を手がける米マックス・スペース(Max Space、米フロリダ州、創業者兼CEO:Saleem Miyan)は、地球低軌道(LEO)や月、火星での利用を想定した展開型宇宙ステーション「Thunderbird Station」を発表しました(Max SpaceによるLinkedInでの投稿)。

Thunderbird Stationは、打上げ時はコンパクトな形状で、軌道上で大きく展開する居住施設を中核としています。同社によると、Thunderbird StationはFalcon 9ロケット1機で打ち上げ可能で、展開後は容積が約20倍に広がり、4人以上のクルーが継続的に滞在できるとしています。与圧容積は350立方メートルで、国際宇宙ステーション(ISS)のモジュールの3倍以上に相当するとのこと。

内部は、研究や製造、生活といった用途に応じて空間を柔軟に使い分けられる構造を採用しており、60以上の実験・機器用スペースを備え、将来的には宇宙空間での製造活動にも対応できる設計としています。

また、同社は展開型居住施設の軌道上実証ミッション「Mission Evolution」を、2027年第1四半期にSpaceXのライドシェア打ち上げで実施する予定であることも明らかにしました。

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