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【フォトレポート】国際宇宙会議(IAC 2025)の注目展示 〜ロケットから民間宇宙ステーションまで

2025年9月29日(月)~10月3日(金)の期間、オーストラリア・シドニーで開催された第76回 国際宇宙会議(IAC 2025)

IACは世界最大の宇宙関連会議で、毎年秋に開催されます。各国の宇宙機関や政府関係者、研究者、企業関係者などが集うことから、宇宙開発の研究の最先端や宇宙政策の方向性、宇宙産業の最新動向を把握するのに適した機会とも言えます。 本記事では、IAC 2025の展示会場の中から、特に注目したブースをピックアップしてレポートします。


各国宇宙機関・宇宙企業による多彩な展示

展示会場では、各国の宇宙機関や企業などによる展示が行われ、最新の取り組み成果の展示や商談などが行われる場となっています。基本的に会期中は登録者のみが入場できますが、最終日には展示会場は市民に解放され、一般の人々や子どもが宇宙開発・宇宙産業にふれることのできる機会となっています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)ブースには大きな探査機の模型が設置され、記念撮影をする人々も見られましたが、最近の予算削減が影響しているのか、「ややさみしく見える」という声も
中国のブースでは、同国が開発する数々のロケットの模型が目立ちました
インド宇宙研究機関(ISRO)のブースでもロケットの展示が。加えてナレンドラ・モディ首相の映像が流されるなど、国を挙げて宇宙開発に取り組んでいる様子がうかがえました。また、ISROブース内には宇宙スタートアップの展示も見られました
フランスを拠点に、宇宙航空・防衛・通信といった幅広い領域を手がける大手・SAFRANのブース。宇宙関連機器の部品などが展示されていました
イタリアに本拠を置き、人工衛星の設計・統合ソリューションを提供するSpace Products and Innovation(SPiN)のブース。日本では接点がもちにくい企業とも出会えることが、ビジネス観点でのIACの魅力の一つです
こちらは韓国の衛星メーカー・Satrec Initiativeのブース。25センチメートルの超高解像度衛星「SpaceEye-T」のモックアップを展示していました
なお、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)はIAC 2025のゴールドスポンサーとなっていました。宇宙戦略基金などの取り組みで日本が注目を集める中、IACでも一定のプレゼンスを示したといえます

民間宇宙ステーション・LEO活動に関する展示

編集部が特に注目したのは、民間宇宙ステーション「Starlab」を開発するStarlab Spaceのブース。同社が開発を進めている宇宙ステーションの構造が具体的にイメージできる展示となっていました。

00から06まで、ステーションのフロア構成のイメージが描かれており、02フロアが実験フロアに、03フロアがクルー居住区になっています。05の記載がありませんが、これは04から06が吹き抜けのフロアになっているからだということです
Starlabに設置される予定の実験装置ラックのモックアップ。取っ手を引き出すこともできるなど、かなり実際のものに近いつくりとなっていました。なお、右下に一部が写っているのはStarLabの窓の模型。ガラスの厚さは4〜5センチもあるそうです

なお、民間宇宙ステーション「Starlab」については、同社のサイトでも構造などが紹介されています。

こちらも民間宇宙ステーションの開発を進めるアメリカ・Vastブースに展示されていた、SpaceXの船内活動服。一般開放が行われるパブリックデーには多くの注目を集めていました

昨年のIACでは、同じくアメリカのAxiom Spaceがファッションブランドのプラダとデザインした宇宙服を公開して注目を集めましたが(参考記事)、SpaceXのスーツもスッキリとしてスタイリッシュです。今後は、機能に加え、見た目のおしゃれさも宇宙服に求められるようになるのかもしれません。

ビジネス観点だけでなく、市民が宇宙にふれる機会も

IAC最終日はパブリックデーとして一般市民にも展示会場が解放され、子どもを含めた多くの来場者が集まりました。

アラブ首長国連邦(UAE)は宇宙飛行士らが子どもたちからの質問に答えるセッションを実施。こうした子どもたちの中から、未来の宇宙飛行士が誕生しそうです

今回ご紹介したブースは展示会場のごく一部です。実際に会場を訪れる際には、事前にプログラムを入手して講演や展示を効率よく巡れるように作戦を立てておくことも大切です。

次回、2026年のIACは2026年10月5〜9日、トルコのアンタルヤで開催されます。宇宙開発・宇宙産業の最新動向の把握、ビジネス機会を見つける場として活用してみてはいかがでしょうか。

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